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さつまいもの原点を辿る|全国の農家数・品種数から見る、さつまいもの魅力と歴史

秋になると食べたくなる「さつまいも」。
最近では焼き芋専門店や芋スイーツが増え、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれています。

しかし、今では当たり前のように食卓に並ぶさつまいもが、どこから来て、どのように日本全国へ広がったのかを知っている人は意外と少ないかもしれません。

実はさつまいもには、長い歴史と多くの農家の努力、そして日本の食文化を支えてきた背景があります。

今回は、

* 日本にどのくらいのさつまいも農家がいるのか
* さつまいもの品種はどのくらい存在するのか
* さつまいもの原点はどこなのか
* 日本でどのように広がっていったのか

について、さつまいもの歴史を辿りながら詳しくご紹介します。

日本にはどのくらいのさつまいも農家がいる?

日本全国には、さつまいもを栽培している農家が数万戸あると言われています。

その中でも特に有名な産地は、

* 茨城県
* 千葉県
* 鹿児島県
* 宮崎県
* 徳島県

などです。

特に茨城県は全国トップクラスの生産量を誇り、焼き芋向けのブランドさつまいもの栽培が盛んに行われています。

また、鹿児島県は温暖な気候を活かし、古くからさつまいも文化が根付いている地域です。
鹿児島では焼酎用としても大量に栽培されています。

一言で「さつまいも農家」といっても、その仕事内容はさまざまです。

例えば、

* 苗を専門に育てる苗農家
* 青果用の芋を育てる農家
* 加工用を栽培する農家
* 干し芋向けを育てる農家
* 焼き芋専用品種を育てる農家

など、それぞれ役割が異なります。

特に苗づくりは非常に重要な工程です。

さつまいもは種ではなく「苗」から育てる作物です。
そのため、丈夫で病気の少ない良質な苗を育てることが、その年の収穫を左右します。

苗農家では、

* 茎の太さ
* 葉の色
* 節の間隔
* 曲がりの少なさ
* 病気の有無

などを細かく確認しながら、一本一本丁寧に収穫・出荷しています。

近年では若い農家も増え、
SNSを活用して直接販売を行う農家や、自分たちでブランド化を進める農家も増えてきました。

昔ながらの農業に加え、新しい販売方法や発信方法が広がっているのも、今のさつまいも業界の特徴です。

さつまいもの品種は何種類ある?

現在、日本で確認されているさつまいもの品種は100種類以上あると言われています。

普段スーパーで見かけるのは数種類ですが、実際には地域限定の品種や試験栽培中の品種も数多く存在しています。

代表的な品種には、

* 紅はるか
* 紅あずま
* シルクスイート
* 安納芋
* あまはづき
* 栗かぐや
* ふくむらさき
* パープルスイートロード

などがあります。

それぞれに特徴があり、甘さや食感が大きく異なります。

例えば、

紅はるか

近年大人気の品種。
熟成すると糖度が非常に高くなり、ねっとりとした食感になります。

 

紅あずま

昔ながらのホクホク系。

天ぷらや大学芋との相性が良い品種です。

シルクスイート

名前の通り、絹のようになめらかな食感が特徴。
しっとり系とホクホク系の中間のような食感です。

安納芋

鹿児島県種子島で有名になった品種。
加熱すると蜜が出るほど甘く、焼き芋人気を大きく広げた存在です。

ふくむらさき

紫色の果肉が特徴。
アントシアニンを含み、スイーツ加工にも人気があります。

最近では「甘さ」だけでなく、

* 貯蔵性
* 病気への強さ
* 収穫量
* 見た目の美しさ
* 加工適性

なども重視され、品種改良が続けられています。

そのため、毎年のように新しい品種が誕生しています。

さつまいもの原点は中南米

現在、日本で広く親しまれているさつまいもですが、その原産地は日本ではありません。

さつまいもの原点は、中南米とされています。

現在のペルーやメキシコ周辺で、古くから栽培されていたと言われています。

現地では数千年前から食用として利用されており、人々の生活を支える重要な作物でした。

その後、大航海時代を経て世界各地へ広がっていきます。

15〜16世紀頃にはスペイン人やポルトガル人によってアジアへ持ち込まれ、中国へ伝わりました。

そして中国から琉球(現在の沖縄)を経由し、日本へ入ってきたと考えられています。

なぜ「さつまいも」と呼ばれるの?

名前の由来は「薩摩(さつま)」です。

現在の鹿児島県にあたる薩摩地方で広く栽培されたことから、「薩摩芋(さつまいも)」と呼ばれるようになりました。

特に鹿児島では火山灰土壌との相性が良く、痩せた土地でも栽培できるさつまいもは重要な作物となっていきます。

現在でも鹿児島県は全国有数の産地として知られています。

日本を救った作物だった

江戸時代、日本では飢饉が頻繁に発生していました。

冷害や台風によって米が取れなくなると、多くの人々が食糧不足に苦しみました。

そんな中、注目されたのがさつまいもです。

さつまいもは、

* 痩せた土地でも育つ
* 比較的病気に強い
* 保存性が高い
* 収穫量が多い

という特徴を持っていました。

特に、蘭学者として知られる
青木昆陽
は、飢饉対策としてさつまいもの栽培を広めた人物として有名です。

青木昆陽は各地で栽培方法を広め、「甘藷先生(かんしょせんせい)」とも呼ばれました。

現在の日本でさつまいもが広く栽培されている背景には、こうした歴史があります。

現代のさつまいも人気

昔は「救荒作物」と呼ばれていたさつまいもですが、現在では高級スイーツとしても人気を集めています。

特に近年は、

* 熟成焼き芋
* 冷やし焼き芋
* 芋けんぴ
* 干し芋
* 芋チップス
* 芋スイーツ

など、多くの楽しみ方が生まれています。

さらに、低脂質で食物繊維も豊富なことから、健康志向の人たちにも人気があります。

農家も、

* より甘く
* より美しく
* より食感良く

を追求しながら栽培技術を高めています。

実際には、

* 苗づくり
* 定植
* 除草
* 病害虫対策
* 収穫
* 貯蔵
* 熟成

まで、一年を通して多くの手間と時間がかかっています。

美味しい焼き芋の裏側には、農家の細かな管理と努力があるのです。

まとめ

さつまいもは、ただ甘くて美味しいだけの作物ではありません。

* 中南米から日本へ伝わった長い歴史
* 飢饉から人々を救った背景
* 全国の農家による栽培技術
* 100種類以上ある多彩な品種

など、多くの魅力が詰まっています。

現在の焼き芋ブームや芋スイーツ人気も、こうした長い歴史の積み重ねの上に成り立っています。

これからも新しい品種や栽培方法が生まれ、さつまいもの魅力はさらに広がっていくでしょう。

普段何気なく食べている焼き芋も、その背景を知ることで、より特別に感じられるかもしれません。